希望大国ブラジル(その14) 小型ジェット機で世界席巻 エンブラエル「モノ作りの 流儀」

希望大国ブラジル(その14) 小型ジェット機で世界席巻 エンブラエル「モノ作りの 流儀」

小型ジェット機で世界席巻 エンブラエル「モノ作りの流儀」

 サッカー場60面分の広大な敷地に白い工場が並び、2000メートルの滑走路が延びる。隣接地には空軍の航空宇宙技術総司令部と、米マサチューセッツ工科大学(MIT)に倣って設立された航空技術大学校(ITA)。

 小型ジェット機は「リージョナルジェット(RJ)」とも呼ばれ、一般的に座席数が99席以下の旅客機を指す。同社は1969年に国営企業として出発し、94年の民営化後に「ERJ」で小型ジェット機市場に参入して急成長した。

 同社の広報責任者、カルロス・カマルゴさん(45)は「われわれはもはやリージョナル(地域)を飛び出し、世界の空を担う企業になった」と話した。

ラテン気質も一役

 各社は機体を改良し小型ジェット機の座席を増やそうとしたが、「われわれだけが異なるアプローチを取った。乗客の快適性をより重視した」。エンブラエル前副社長で98年の開発最初期から技術者として携わった日系2世、サトシ・ヨコタさん(69)はこう話す。

 「われわれはアイデアを固定せず徹底的に意見を交わし合うことで、全く新しい飛行機を作り上げた。何でもオープンに話し合うブラジル人のラテン気質も根底で役立った」

 ブラジル流「モノ作り」の象徴ともいえる。

「RJ」続々参入

 大都市の空港と地方空港をつなぐ地域間航空への需要の高まりから、小型ジェット機は10年、世界の空を飛ぶ全旅客機1万7000機のうち2割を占めるまでになった。

 わが国でも三菱航空機が最大92席の「MRJ」の開発を始めた。プロペラ機「YS11」以来半世紀ぶりの国産旅客機であり、主翼にアルミ素材を使って軽量化し燃費を高めることで、これまでに日米、香港3社から130機を受注した。江川豪雄社長(66)は「環境規制が強まる中、長期的には世界で伍していく余地は十分ある」と話す。

 中国は初の小型ジェット機として最大99席の「ARJ(翔鳳)」を、ロシアは最大105席の「SSJ」を投入してきた。小型ジェット機市場の競争は激しさを増している。

 エンブラエルのカマルゴさんは「われわれはEジェットにより世界のプレーヤーになった。だが、さらに先を見ている」と話した。

 同社はすでに130席以上への研究を進めている。

―産経ニュースからー

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