アマゾナス劇場

アマゾナス劇場

 

19世紀後半、一大ゴムブームの景気であり余る財を手にしたヨーロッパからの移住者達は、ジャングルの中に建設したマナウスに、ヨーロッパと同じ生活水準を求めはじめた。その象徴といえるのが、1896年に建てられたイタリア・ルネッサンス様式のオペラハウス、アマゾナス劇場だ。ドーム屋根のタイルをはじめ建築材はすべてヨーロッパから輸入したもので、内部もイタリア大理石の階段、オーストリア製のイスなど、目を見張る調度品ばかりだ。劇場内には700席設けられており、そのうち450席は2階から5階のバルコニーにずらりと並ぶボックス席。2階までしか見学できないが、この階の中央が国賓ら貴人のための特別席になっている。ユニークなのがクーラーで、床下から通風口を通して人力で風を送っていたという。舞台幕はソリモインス川とネグロ川合流点を描いたもので、ブラジル人芸術家クリスピン・ド・アマラウ Crispim do Amaral作。下部中央に2河川を象徴するふたりの神と美しいヤラ Yara(水の母)が配されている。天井はパリのエッフェル塔を下から見上げたときに見える形にデザインされているが、空の部分には芸術や音楽をテーマにした絵が描かれていて、これもクリスピンの作である。客席以外の部分を見ると、2階には貴族のサロンがり、大理石の円柱やバルコニーなど贅の限りが尽くされている。アマゾン河や舞踊などをテーマにした天井の絵はイタリアの芸術家ドメニコ・デ・アンジュリス Domenico de Ahgelisの作。その中央付近に描かれた女神の目を見つめながら、部屋を端から端へ歩いてみよう、なぜかずっと彼女と見つめ合うことになる。すばらしい表現上のトリックだ。現在、劇場は文化センタ―として活性化が図られている。毎日のようにオペラやアマゾン・フィルハーモニーによるコンサートが開かれている。Praça São Sebastião s/no TEL-3234-0508月~土曜 9;00~16;00 入場料R$5,00内部はストロボ撮影禁止。英語、ポルトガル語のガイドツアーが20分ごとに出る。(ダイヤモンド・ビッグ社 地球の歩き方 ブラジル・ベネズエラ編より)

カテゴリー: 

言語

Brasil

Japão

連絡先

www.samicultura.com.br

携帯: 55 92 98108-3535
E-メール: hisashi_umetsu1948@yahoo.co.jp
Go to top