学校通えるように
豊かな南東部の中高所得層にとって現金給付はばらまき以外の何物でもない。ブラジルは税負担がGDP(国内総生産)の35%に上る高負担国家でもある。
サンパウロの金属メーカー勤務、ファビオ・ラパさん(25)は「選挙目当てに現金をばらまくのではなく、どうすれば現金を稼げるかを教えるほうが大事なのではないか」と話す。
ルラ氏の故郷バルゼア・コンプリダ集落があるカエテス市のボルサ・ファミリア担当、セリアンニ・シルバさん(30)は「“南”の人は“北”の貧しい状況を知らない。子供が学校へ通え、学用品が買えるようになった。消費拡大にも貢献している」と訴える。
ブラジルでは18~70歳の読み書きのできる全国民に投票が義務づけられ、希望すれば10%程度いるとされる読み書きのできない人も投票できる。中間層が拡大したいまなお大きな貧富の格差が存在する中、東北部などの貧しい人々への補助金政策がこの国の政権を支えているともいえる。
ルーラ氏の故郷の集落に生家はすでになく、跡地はマンジョカのイモ畑になっていた。村人たちは昨年10月、故郷の英雄を記念して跡地から100メートルほど離れた畑に生家を復元した。土壁に瓦屋根の小屋だった。
―産経ニュースからー
戻る