決断遅い日本人
リオデジャネイロの旧市街に、知日派の重鎮を訪ねた。エリエゼル・バチスタ元鉱山エネルギー相(87)。世界最大の鉄鉱山会社「バーレ」の総裁を長く務め、日伯協力事業の大半に携わった。
「今の日本人はよく分からない。決断のスピードが遅いために、ブラジルで築いてきた資産を失いつつある。逆に中国人、韓国人のアグレッシブな戦略は30~40年前の日本人のようだ」
子息の実業家、エイキ・バチスタ氏(54)は資源会社「EBXグループ」を率い、米誌フォーブスの長者番付で資産300億ドル(2兆4186億円)と世界8位。昨年相次いだ中国からの鉄鉱山や油田への巨額投資を複数受け入れ、リオデジャネイロ州で建設が進む港湾施設「アス・スーパーポート」にも工場や造船所が進出するという。
エリエゼル氏は子息の活躍ぶりに目を細めつつ、親愛の情を浮かべてこう語った。「多くのブラジル人は今でも日本人に信頼を置いている。日本人さえ決断すれば、まだ遅くはない。往年以上の緊密な関係が築けるだろう」
―産経ニュースからー
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