人間を拒否する大自然

人間を拒否する大自然

「自然を愛す」「自然の懐に抱かれる」「母なる自然」

なんともカッコのよい言葉で、そこはかとないロマンを感じさせるが、婦人雑誌や少女雑誌の世界ならともかく、本当の大自然というものはそんな甘いものではない。

都会地の人が、どこかの田舎に土地を求め、ブルトーザーで整地し、植林をし、綺麗な芝生を植えこみ、花壇を設け、池を掘って魚を放し、木の利いたバンガローを建て、週末に自動車で来て、魚釣りや乗馬に興じたところで、自然でも自然の生活でもない。

これはこれで結構なことだが、本当の大自然というのは、人間を暖かく迎えてくれるどころか人間の入るのを拒否するものなのである。

文明人がアマゾンのジャングルに住めないのはいくつかの要素があるが、その一つとして、アマゾンの生物、特に吸血昆虫や毒虫の存在をあげることが出来る。

アマゾンの生物で、こわいのは猛獣、毒蛇の類ではない。

もちろん、この連中は人間と非友好的で、時には人間を襲いもするが、人間の侵入を阻止するだけの力はとてもない。

オンサ(ジャガー)、黒豹、ススアラーナ(ピューマ)、大山猫、猪、スクリジュー(大蛇)はども、よほどのことがない限り先方から襲ってくることはない。

ワニはうっかりすると襲ってくるが、水から上がれば安全で、それほど恐れることはない。

赤イルカ、サメ、エイ、ポラケ(電気イナギ)、ピラニア、カンジルーなどの人を襲う水中動物も危険といえば危険だが、人間が水中で生活するのではない以上、注意すれば危険を避けることが出来る。

これらに比べると毒蛇ははるかに危険である。ほかの動物と違って、蛇は人間が近づいてもなかなか逃げず、知らずに近寄るといきなり噛みつく。

もっとも危ないのはスルククという毒蛇で、体長3,5倍、カスカベルの30 6 ぐらいに分類されるが、属としてはアノフェレス、アエデス(イデス)、クレックス、イアンチゾマ、サスペなどで、このうちアノフェスがマラリア、アイデスが黄熱病を媒介する。

これまで、アマゾンでマラリアや黄熱病で死んだ人間は何十万人にものぼるが、猛獣、毒蛇、害魚に殺されたのは数千人みたない。

 <span \'MS="" 明朝\',\'serif\';="" font-size:="" 10.5pt\"=""><サンパウロ新聞 アマゾン学のすすめ>から

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