深刻な少女売春

深刻な少女売春

最近ブラジルの新聞などでよく話題になるのだが、アマゾンにおける年少者の売春問題はかなり深刻である。




プロの売春婦ならどこでもあることだし、とりたてていうほどのことではないが、アマチュアの少女売春の蔓延は重大な社会問題で、関係者の頭を悩ましている。しかもだんだんプロとアマの区別がなくなっていく傾向にある。




はなはだショッキングな話だが、アマゾンでは少女が体重30キログラムになれば売春可能といわれている。




肉体の成熟には個人差があってまちまちだが、年齢に関係なく30キログラムになれば、売春婦として最低限の資格があるという意味である。




ベレンやマナウスのような大きな都会は人口が多いだけに目立ちにくいが、アマパ、サンタレン、ポルト・ベーリョのような小さな都市は少女売春がよく目立つ。




1314の小娘がアイシャドーを入れ、口紅を塗って学校に行き、学校を出るとボアテやバールなどに押しかけ、男を物色するのである。




こういう話はとかく大袈裟に伝わりやすいが、30キログラムうんぬんは別としても、少女売春が恐ろしい勢いでアマゾン全域に拡がっているのはまぎれもない事実である。




「この町のメニーナ(少女)の90%が売春をするか、する可能性をもっているんだからイヤになる」と吐き出すような口調で云ったのは、マカパでタクシーの運転手をしている顔見知りの老人である。




「この間も知り合いの14になる娘が妊娠してね、相手の男は誰かと問い詰めたら、数が多くて誰だか分からないといったそうだ。呆れたもんだねえ」、「そりゃ昔だって1213の娘が男とくっつくことは珍しくなかったけど、今の娘は金を目当てにやるんだからね、昔はなかったことだと」たしかに少女売春は最近の風潮である。




私は、最近急に増えてきたというところに興味をもった、いろいろ調べてみたし、ひとの意見も聞いてみたが、どうもよく分からない。




ブラジルの新聞などには少女売春の実態について、ルポ的な記事はかなり出ており、現象面の説明は詳しいのだが、どうしてそうなったか因果関係がはっきりしない。




筆者はこの疑問を地元の警察署長に向けてみた。すると署長はいともアッサリとこう云った。「金さ、金さえあれば今は欲しいものが何でも買えるだろう。つい10年前まではね、このマカパの店なんか実用品以外は売ってなかったんだよ。その当時は例えば、女の子がはくパンティーだってみんな木綿の布を買ってきて自分で作ったものさ。ところが、今は店に行けば色とりどりのヒラヒラのついたパンティーがいくらでも売っているからね。女の子なら欲しくもなるさ。だいたい今の店には金のないカボクロにとって欲しいものがあまりにも多すぎるよ」ずいぶん荒っぽい説明だが筆者にも同感であった。




近年になってアマゾン開発がはじめられ、ジェット機が飛び交い、通路が出来、テレビが入り、今までみたこともないブラジル南部の商品がどっと入って来た。年頃の娘にとって欲しいものは山ほどあるが、買う金はない。




それにもともとアマゾンのカボクロは




1.肉体的成熟が早い




1.知性、教養が低く、本能による衝動が強い




1.奴隷制度時代からの影響で、貞操観念および道徳的規制が比較的うすい、特質を下地として持っている。




こうした下地がある上に文明商品の攻勢にさらされれば、親が貧しくて買ってもらいなえ以上、少女達は手っ取り早く自分の身体を売る売春に走るのは自然の理といえる。




ブラジル国内における南北の文明格差、経済格差の歪みがこんなところにも表れているが、カボクロ社会もインジオ社会と同じく、文明の巨大な波に押し流されようとしている。


 <サンパウロ新聞 アマゾン学のすすめ>から

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