アマゾンの人口は約350平方キロ当たり平均一人である。
しかも人口の大半はベレン、マナウスをはじめ本流筋の都市に集中しているから、都市部を除く奥地の人口密度は、未開のインジオをいれても平方キロ当たり0,01 を越え、場所によっては4%年から1975人から147.400年間に4 、5人は産む。10 人産んでも4人しか育たなかったのにくらべ、今は10人は育つ。非常に歩留まりが良い。
医学や衛生知識の進歩がアマゾンの奥地にもある程度復及したおかげで、それ自体は結構なことなのだが、これでは環境とのバランスが取れなくなってくる。
昔はダーウインの「勇勝劣敗」の法則で、強いものだけが生き残ったし、その自然淘汰で環境とのバランスがとれていたのだが、今は強くても弱くても生き残る。
例えば昔はマラリア、黄熱病、天然痘などで、アマゾンの人間はずい分死んだが、今は予防医学が進んでいるから、そう簡単には死なない。
こうなるとダーウインの法則も当てはまらなくなってくる。しかも死ぬ方は減ったが、生まれる方は依然として同じなのだから、人口の急増は避けられず、貧困地帯はますます貧困になる。
受胎調整を行って少産少死にすればよいのだが、少産少死は所得水準、教育水準の高い先進国でないと不可能で、アマゾンのカボクロには到底ムリなこと。
もともと受胎調整は、男女のセックスという、もっとも非理性的行為に根ざすものだから、本能志向型のカボクロにはむずかしいし、知識もない。
面積当たりに対するアマゾンの絶対人口は明らかに少なすぎるが、現状では多すぎるのもまた事実で、ここがブラジル政府のジレンマと泣きどころとなっている。
アマゾン開発、発展のためにもっと人口を増やすことが必要だが、人口増加率に比べて開発のテンポは遅々として進まず、多くの住民は依然として低教育、低所得のままである。
低所得、低教育での人口急増は当然社会的にも失業率の増大、犯罪や年少者の非行などの形で重大な影響を及ぼす。
前にもふれた少女売春の横行も、もちろん人口増加の問題と無関係ではない。
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