アマゾンの味・ツクピー

アマゾンの味・ツクピー

ファリーニャ・デ・マンジョカを作る過程で出てくるツクピーを用いる料理は多く、アマゾン独特の食物となっている。パット・ノ・ツクピー、パッカ・ノ・ツクピー、あるはタタルーガ・ノ・ツクピーというように多様である。

ベレンやマナウスの街の 風物詩にタカカ売りの屋台がある。場所の良い街角や木陰に屋台をおき何やら大鍋から湯気をたてている。これがタカカ・ノ・ツクピーである。ツクピーの黄色 い汁の中に片栗粉と同じようなどろどろした熱いゴマ・デ・マンジョカをいれ、乾かした塩エビ数匹と、ジャンブーという、セリ科の草のゆでたのを一つまみ、 それにトウガラシの汁を加えたもので、食べ物だか飲み物だか判定のつきかねるシロモノ。

これはうまい、油を全く使っていないから、日本人好みで、初めての人でも結構食べられる。二、三回味わったらやめられなくなる。

どんな味かと言われても説明に困るのだが、まず、ツクピーの液そのものが一種のアルカロイドを含んでしるから、からいというか、ピリッとした刺激があるし、それにジャンブーというのがモノテルペイドを含んだ精油分を持っていて、やはり舌がしびれるような刺激がある。

これにトウガラシ(主としてピメンタ・デ・シエイラ)を入れるのだから、全体としてさぞからいと思うだろうが、実際に味わってみるとそうでもない。

からさから云ったらカレー・ライスのカレーの方はからいというより舌全体が麻痺するような感じだ。

これをクーヤというヒョウタンに似た丸い木の実を二つ割りにした椀に入れてすするのだが、中のジャンブーやエビを食べる時は細い一本くしで刺しながら食べる。

ところが、このタカタはかなりどろどろしたものだから、最後になるとどうしても汁が椀にくっついて残る。そこでエビを一匹最後まで残し、このエビの尻尾をくしで刺して椀についた汁をかき寄せで食べるのがタカカを食べつけている連中のやり方である。

アヒルをツクピー液とジャンブーで料理したパット・ノ・ツクピーは今ではアマゾンの代表的な料理だが、これはパッカ・ノ・ツクピーの代用品として用いられたのが定着したものである。

 

<サンパウロ新聞 アマゾン学のすすめ>から

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