アマゾンの人口は約350万人で、1平方キロ当たり平均一人である。 しかも人口の大半はベレン、マナウスをはじめ本流筋の都市に集中しているから、都市部を除く奥地の人口密度は、未開のインジオをいれても平方キロ当たり0,01人にもならず、世界の最過疎地域の一つである。
ブラジルという国は他のラテン・アメリカ諸国とは異なり、1822年の独立でさえ血を流さなかった無血革命だったから、百五十年かの歴史でそう大量に死者を出した戦いはないと思っていた。 国境をめぐる隣接諸国との戦争や、国内の革命内乱のあったことはもちろん承知している。 しかし、それとて数百か数千の生命が失われる程度だと、うかつにも思い込んでたが、アマゾンの歴史を調べ驚いた。
アマゾンの名を一躍世界に馳せたアマゾンのゴム景気について。 なにしろ、僻地アマゾン、水とジャングルのアマゾンが世界の檜舞台にさっそうと登場、栄華を誇ったのだ。そして僅か半世紀にも満たない虚構の繁栄の後、急速に衰え再び水とジャングルのアマゾンに戻り、世界から忘れられた存在になってしまう。
植民地全盛時代の16、17、18世紀には、各国とも獲得した海外の植民地に貴重な香料、香辛料、染料作物及び薬草を栽培、価格維持のため専売制度をとった。 原植物や苗、種子の管理は厳しく、海外への持ち出しを厳重に取り締まって外国への移植を防いだ。それでこれらの栽培植物をめぐって、各国とも秘術を尽くしで種子や苗の盗み会いが始まる。
マナウスは2008年に160年か、339年か?
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